原則3 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
当社の企業価値評価プロセスにおいては当社内で一貫性のある理解を共有しています。投資対象企業の持続可能な収益を判断するために、各社のファンダメンタルズを詳細に理解することが不可欠と考えています。各投資対象企業に対しては、公開情報を使用した自社作成の財務モデルによる分析などの徹底的な調査を行います。この結果、企業の財務成績の履歴や会計方針について透明性が高く一貫性のある調査が可能となっています。この定量的な調査プロセスを補うために、当社は各投資対象企業に対する徹底的な定性的調査を行います。当社は投資対象企業の資本政策や経営戦略などを深く理解するために経営陣と面談を行います。また企業業績にとってリスクとなりうるESG(環境・社会・ガナバンス)に関する問題も含め、様々な事象について経営陣と対話(エンゲージメント)を行います。
原則4 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
企業の目的の一つは株主の利益を最大化することであり、株式資本の提供者である株主こそが企業の最終的な所有者です。
投資判断や株主総会における議決権行使を通じたアクティブ運用、企業経営者との継続的な対話(エンゲージメント)によって当社は顧客のために株主利益の最大化という目標を追求しています。当社の徹底的な調査は、公開情報を使用した自社作成の財務モデルによる分析などを含みます。投資対象企業とのミーティングを通じて公開情報に対する当社の理解を確認します。当社は企業の資本配分や事業戦略を理解するために経営陣とミーティングを持ちます。その結果企業の変化について時間をかけて観察し、当社が投資判断の際に想定した合理的で競争力のある利益を企業が株主に対して十分にもたらしているのかなどを評価することが可能になると考えています。当社のアプローチに欠かせないのは株主価値向上を目指した企業との対話(エンゲージメント)です。企業に変化をもたらすことで株主利益の最大化につながると判断した場合には、必要に応じて積極的な対話(エンゲージメント)姿勢を取ることもあります。また確かな情報に基づいた積極的な議決権行使を行うこともその手段のひとつです。また集団的エンゲージメントについても必要に応じて検討していきます。
原則5 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
当社は、議決権行使に関し、原則主義(プリンシプルベース・アプローチ)を採用しています。全ての議案は、当社の議決権行使ガイドラインにおいて規定される原則に則って検討されます。
当社は、原則として、投資先企業の経営陣を支持します。しかしながら、投資先企業が当社の想定する水準を下回るような状況が続く場合には、経営の変化を促す方向で積極的な議決権行使を行います。その場合、新たな経営戦略の策定といった議題から、経営陣の刷新又は社外取締役の選任といった議題についてまで当社の考え方を反映した形で議決権を行使します。
確かな情報に裏打ちされた能動的な議決権行使は運用における欠くことのできない重要な要素であると考えます。議決権行使は投資活動から切り離すことができないもので、議決権の行使によって当社は株主としての利益を守るのみならず付加価値をもたらすことも視野に入れています。当社は議案を検討し、必要であれば経営陣と会合を持った上で議決権を行使します。当社の目的が理解され、当社の議決権行使の判断が顧客利益の最大化に資することを確保するため、当社では重要議案等については、常に議決権行使の前に議論を行います。
議決権行使に係る意思決定プロセスを補うため、当社では議決権行使アドバイザーを利用しています。議決権行使アドバイザーが推奨する議決権行使ポリシー及びガイドラインの内容を理解し、当社の方針との適合性又は差異を把握するための検証を随時行っています。しかしながら、特定の方針及びアドバイザーの助言を機械的に適用することはありません。当社の議決権行使ガイドラインにおける原則に則って、一つ一つの議案のメリットを評価し個別に判断しています。
また当社は、議決権の行使及び行使結果の公表は、スチュワードシップ責任を果たすための重要な手段の一つと考えており、当社ウェブサイト等を通じて積極的に開示していく方針です。
当社の議決権行使ガイドライン(抜粋)及び議決権行使結果を、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、ご参照下さい。